【1月9日 People’s Daily】中国・黒竜江省(Heilongjiang)ジャムス市(Jiamusi)の樺川県(Huachuan)。その中にある星火朝鮮族郷の星火村に入ると、白壁の民宿が軒を連ねていた。朝鮮族の伝統打楽器、チャングをたたきながら踊っているのは、村民の李泰玉(Li Taiyu)さん。「星火農園1号民俗村」は2020年7月に営業を開始、すでに2万人余りの観光客が訪れている。「村が発展すると、趣味もお金になる。1回踊ると、数十元(1元は約16円)から100元になる」と李さん。

 星火朝鮮族郷共産党委員会の南楠(Nan Nan)書記によれば、最近の数年間に貧困者支援政策が相次いで実施され、産業が育成された。例えば、太陽光発電や果物・野菜生産基地、コメを扱う合作社などだ。そして2019年、星火村は貧困から脱却した。

 貧困から脱却したあとも、産業を発展させなければならない。「漬物やみそ、酒の製造ではお年寄りは皆、専門家だ。朝鮮族村の風俗・習慣は観光資源」と南書記。村は増収の道を探り、伝統の技術を使うとともに、観光業を興した。

 2019年7月、民俗村プロジェクトが正式に締結された。村民は合作社に水田を提供し、合作社は7000万元(約11億2000万円)を投じて観光施設を建設することになった。村史博物館や、接待サービス・センター、民族飯店、民宿、レジャー広場、果物・野菜園、映画館などだ。

 すべてが完成すれば、年間の売上は4000万元(約6億4000万円)となり、各世帯は分配金により1万元(約16万円)以上の増収になる。

 樺川県の貧困扶助弁公室の高忠良(Gao Zhongliang)主任は「星火村の発展は樺川県による貧困者支援産業育成の縮図」と語った。樺川県では現在、「コメ、牧畜、太陽光、果物・野菜、電子商取引」の5大産業に加え、村落の特色を生かした42の貧困者支援産業を発展させているという。

 貧困脱却はゴールではない。新しい生活へのスタートだ。2019年5月、樺川県は貧困県ではなくなった。その後、樺川県内で村落の特色のある多数の産業が花開いた。貧困脱却の成果は一連の措置により絶えず打ち固められ、拡大した。2020年、県内の貧困世帯の1人当たりの平均純収入は1万2801元(約20万5000円)となり、2019年より27.2%増えた。(c)People’s Daily/AFPBB News