【1月9日 People’s Daily】2020年12月7日、世界知的所有権機関(WIPO)が発表した年次報告書「世界知的財産権指標(WIPI)」によると、2019年に中国国家知識産権局が受理した特許出願件数は140万件に達し、引き続き世界最多となった。これは2位の国の2倍以上にあたる。同報告書は、中国が知的財産権の質の向上のために注力していることにも注目した。これは中国のイノベーションにおける強大な実力と潜在力を示すものであり、中国が知的財産権保護の取り組みを重視していることの表れでもある。

 中国の知的財産権事業は絶えず発展し続ける。中国共産党第19期五中全会の「提議」は知的財産権保護の取り組みの強化に対し、明確な要求を出し、「イノベーションの中国の現代化建設の全局面における核心的地位を堅持し、科学技術の自立を国家発展の戦略的支柱とする」方針を打ち出している。WIPIの前事務局長のフランシス・ガリー(Francis Gurry)氏は、中国は知的財産権を戦略的に高位に置き、経済の各分野で知的財産権の保護を重視し、数十年にわたって長期政策の決心を示し続けており、これらの経験は他国と共有するに値すると考えている。

 長年にわたる努力を経て、中国は知的財産権保護の取り組みにおいて歴史的成果を収め、名実共に知的財産権大国となった。2019年の中国の有効特許件数は186万2000件に達し、1万人あたり13.3件となった。「特許協力条約」を通じた特許出願件数は5万9000件と世界首位に躍り出た。2020年1~10月の特許出願件数は123万2000件と前年同期比11.2%増加。「特許協力条約」の国際特許出願受理件数は5万5000件と前年同期比23.5%増加し、いずれも新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)という逆風の中で増加を実現した。「中国が特許出願件数で世界首位にまで上り詰めたのは、科学技術革新と知的財産権保護を推進してきた結果だ」と、ベルギー・ブリュッセルに本部のある中国EUデジタル協会のルイジ・ガンバデラ(Luigi Gambardella)会長は指摘する。

 イノベーションは発展をけん引する最大の原動力であり、知的財産権を保護することがイノベーションを保護することにつながる。2019年度WIPI年度報告書は、世界のイノベーション活動の発展における一つの大きな趨勢(すうせい)は、中国を含む5か国の大都市の特定地区への集中が進んでいることだと指摘。同機構が発表した2020年度グローバルイノベーション指数報告書では、中国がイノベーション力世界ランキング第14位、中所得国・地域の中では首位となった。中国は近く新たな発展段階に入り、知的財産権保護の取り組みを一層強化し、イノベーションの活力を一層引き出し、新たな発展理念を貫徹し、新たな発展構造を構築し、質の高い発展の推進を力強く保障していく。

 中国はすでに主要な知的財産権国際条約のほぼすべてに参加し、80余りの国や国際機関または地域組織と協力関係を構築している。2020年7月、第13回中米欧日韓知的財産権五局局長級会合を初めてテレビ会議の形式で開催するとともに、「局長共同声明」を発表し、「今後、パンデミック対応とイノベーションの促進のための措置を進め、ベストプラクティスを共有することで、イノベーターや国際知的財産権業界が経済と社会の復興に貢献することを支援していく」と表明した。2020年9月、中国はEUと共同で「中欧地理標識協定」を締結し、さらに中国EU知的財産権保護協力の分野を拡大した。

 中国は知的財産権導入大国から知的財産権創造大国へと転換しつつあり、知的財産権の取り組みの重点を、数量の追求から質の向上へと転換を進めている。(c)People’s Daily/AFPBB News