【1月9日 Xinhua News】中国科学技術大学(University Of Science And Technology Of China)の潘建偉(Pan Jianwei)教授率いる研究チームが、ユーザー150人以上の量子鍵配送を可能にする総距離4600キロにわたる統合型量子ネットワークを構築した。研究成果はこのほど、科学誌「ネイチャー」のオンライン版に掲載された。

 量子物理学の法則に基づいた量子通信は、セキュリティーが極めて高度で、情報を盗み取ろうとした瞬間に、光ファイバーでデータを送信する光子の量子状態が「破壊」されてしまうため、盗聴や情報の傍受、解読ができない。

 論文では量子ネットワークについて、ビデオ通話や音声通話、ファクス、テキスト送信、ファイル転送などが技術的な検証を経て実証されており、近い将来、商用化されると説明。地上での接続や地上と衛星間の接続を通じ、より多くの国々の量子ネットワークに接続することで、世界規模の量子ネットワークが可能になると指摘した。

 潘氏は、量子通信が将来的に金融、政治、防衛分野での利用が見込まれていると紹介。産業界全体をつなぎ、最終的には量子通信による極めて安全なインターネットが実現すると述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News