【1月8日 Xinhua News】強い寒波が襲来した中国北京市で6日、高地・寒冷地仕様の新型動車組(動力分散式列車)、時速350キロの「復興号」が初めて披露され、その特別な「寒冷対策」性能が明らかになった。

 中国鉄路北京局集団北京動車段朝陽動車運用所の周松(Zhou Song)所長によると、高地・寒冷地向け新型動車組は気温氷点下40度の環境でも運行できるため、寒冷地を走る京哈(北京-ハルビン)高速鉄道への投入が期待されるという。

 寒冷地では、配電キャビネットは結露現象により水が発生しやすくなるが、これについて朝陽動車所の魯建国(Lu Jianguo)副所長は「設計者は、配電キャビネットの骨組みをミクロンレベルのセラミック多孔質材料でコーティングした。寒さで水蒸気から変わった水は多孔質構造によって蓄えられ、客室の温度が上昇すると自然に蒸発する」と説明している。

 動車組の一部指令機能はスイッチによって実施される。極寒の環境では、スイッチ内部のグリース(潤滑油)の粘度が増し、電極間に「アーク現象」が発生して、制御不良の原因となる。そのため、新型列車では特殊な低温制御スイッチを採用した。

 制動関連では、新型車両は初めて自動凍結防止機能を大規模に採用した。また、列車の水タンク、汚物タンク、パイプを分厚い「綿入れ」で覆い、さらに「綿入れ」の中には電熱線を、水タンクの底には小さな「電気ストーブ」を付け、寒冷地でも通常の「活力」を保つことができるようにした。

 現在中国では、時速160~350キロの「復興号」動車組全シリーズが運行されている。昨年末時点で、全国に1036編成の「復興号」動車組が配備されており、安全運行距離は累計8億3600万キロ、旅客輸送量は8億2700万人に達している。(c)Xinhua News/AFPBB News