【1月10日 AFP】テニスの2021年シーズンが、男子は米フロリダ州のデルレイビーチ・オープン(2021 Delray Beach Open)とトルコのアンタルヤ・オープン(Antalya Open 2021)で、女子は世界トップ10のうち4人がエントリーしたアブダビWTA女子テニスオープン(Abu Dhabi WTA Women's Tennis Open 2021)で前週から始まった。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)で多くの大会が依然として不透明な状況に置かれ、例年とは違う新たな日程で一年が始動した中、ここでは注目すべき点や選手を紹介する。

■コロナ禍で迎える新シーズン

 新型コロナウイルスの大流行で、2020年シーズンはウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2020)が戦後初の中止となるなど、テニス界が最も盛り上がる5か月が中断でふいになった。全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)は無観客での開催となり、全仏オープンテニス(French Open 2020)は9月に延期された。

 今年も米カリフォルニア州インディアンウェルズ(Indian Wells)で行われているBNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2021)の延期がすでに決定している。「5番目の四大大会(グランドスラム)」と呼ばれるほどの規模を誇る同大会は、昨年もコロナ禍で中止された最初のイベントだった。

 今季メジャー初戦の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2021)は予定より3週間遅れで開催され、出場選手全員が現地入りと同時に隔離に入ることになっている。また、予選は豪メルボルンから1万2000キロも離れたカタール・ドーハとアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)で行われる。

■懸念されるフェデラーとセレーナ

 ともに今年40歳を迎えるロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)とセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)をめぐっては、今シーズンが現役最後になるかもしれないとの声が上がっている。

 2020年のローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)で、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)にグランドスラム歴代1位の通算20勝に並ばれたフェデラーは、膝のけがから回復途中で、昨年の全豪オープンを最後に実戦から遠ざかっている。

 1998年にツアーデビューを果たしたフェデラーは、今年の全豪オープンはすでに欠場を表明し、ナダルが歴代単独1位となるメジャー21勝目を達成する道を開いた。今年に延期された東京五輪では、これまで手が届いていないシングルスの金メダル獲得を目指しているが、男子決勝が終わる1週間後の8月8日に40歳になる。

 一方のセレーナは、今年の全米オープンが閉幕する2週間後の9月26日に40歳になる。

 マーガレット・コート(Margaret Court)氏に並ぶグランドスラム最多24勝目を再び目指すセレーナだが、メジャー大会を制したのは妊娠中に出場した2017年の全豪オープンが最後となっている。