【1月8日 AFP】米司法省は7日、米航空宇宙機器大手ボーイング(Boeing)が2度にわたる737MAX型機の墜落事故をめぐって米連邦航空局(FAA)を欺いたと認定し、同社が罰金など計25億ドル(約2600億円)を支払うことで刑事訴追を猶予する司法取引が成立したと発表した。

 737MAXは事故を受けて1年8か月にわたり運航を停止した後、昨年11月にようやく運航再開を認められたばかり。2018年10月に起きたライオン航空(Lion Air)610便と翌19年3月のエチオピア航空(Ethiopian Airlines)302便の墜落事故では、合わせて346人が死亡した。

 司法省は、両方の事故の主要因とみられている自動失速防止システム(MCAS)に関する重要な情報を、ボーイングがFAAに対して隠していたと指摘。このため、FAAは737MAXの安全性審査の最終報告書でMCASに言及することなく、同システムの存在はマニュアルやパイロットの訓練用教材に記載されなかった。

 検察当局は、ボーイングが「誠実さよりも利益を優先」して「中途半端な真実」と「隠蔽(いんぺい)」を行ったと不手際を厳しく批判した。

 ボーイングは、罰金2億4360万ドル(約250億円)を支払うほか、遺族への賠償金5億ドル(約520億円)と顧客の航空会社への補償金18億ドル(約1870億円)を負担する。(c)AFP