【1月7日 AFP】米保健当局は6日、米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ビオンテック(BioNTech)が共同開発した新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた人のうち、10万人に1人ほどの割合で重篤なアレルギー反応が起きていたと発表した。一方で、同当局は予防接種がもたらす恩恵はこの既知のリスクをはるかに上回ることを強調した。

 このデータは米疾病対策センター(CDC)が明らかにしたもので、昨年12月14日から23日の間に実施したと報告されている189万3360本の接種後、アナフィラキシーの症例21件を記録している。

 CDCのナンシー・メッソニエ(Nancy Messonnier)氏は記者団に「接種100万人当たり11.1人の割合でアナフィラキシーの症状が起きている」と語った。

 インフルエンザワクチンでは、100万人当たり約1.3人にアナフィラキシー症状が発生しており、ファイザーのワクチンはおおむねこの10倍となる。

 メッソニエ氏は、アナフィラキシーの症例はそれでも「極めてまれ」であって、ワクチン接種を受けることは国民にとって最善策であることに変わらないと指摘。とりわけ国民の健康にとって極めて大きな脅威である新型コロナウイルス感染症の流行下では、なおさらそうだと強調した。

「幸いなことに、われわれはアナフィラキシーの治療法を知っており、予防接種の施設には接種を実施する職員がアナフィラキシー治療に当たるよう、対策がきちんと確立されている」とメッソニエ氏は語った。

 アナフィラキシー症状を起こした人のうち4人(19%)は入院し、うち3人は集中治療室に入った。あとの17人(81%)は救急科で治療を受けた。調査時には1人を除いて全員が退院または回復したことが分かっており、死者は出ていない。

 症状は発疹、喉の詰まり、舌の腫れ、じんましん、呼吸困難、声のかすれ、唇の腫れ、吐き気、長引く乾いたせきなどだ。

 メッソニエ氏はアレルギーの原因を突き止める調査が進行中だと述べた。(c)AFP