【1月6日 AFP】男子テニスの四大大会(グランドスラム)覇者、ボリス・ベッカー(Boris Becker)氏のコーチを務め、1989年に同氏をウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)と全米オープンテニス(US Open Tennis Championships)優勝に導いたボブ・ブレット(Bob Brett)氏が5日、がんのため67歳で死去した。

 オーストラリア出身のブレット氏は、1987年11月から1991年2月までベッカー氏を指導し、その間にベッカー氏はツアー18勝を挙げて世界ランキング1位にまで上り詰めた。他には46年間の指導者キャリアでヨハン・クリーク(Johan Kriek)氏やゴラン・イワニセビッチ(Goran Ivanisevic)氏、マッツ・ビランデル(Mats Wilander)氏、マリン・チリッチ(Marin Cilic)らを指導し、複数の国のテニス協会でも働いた。

 ベッカー氏は自伝の中で、ブレット氏は「厳しかったが、それこそ私が求めていたものだった」と語っている。

「私に求めるものを明言した。意欲と規律、意志の力、時間厳守。午前に3時間、午後に3時間練習して、『後のことは関知しない』と言っていた」「純粋に仕事仲間としての関係で、私を大人として扱った」

 1995年まで4年間指導したイワニセビッチ氏は、その間にツアー9勝、決勝進出17回、1992年と1994年のウィンブルドンで準優勝という実績を残した。その後はアンドレイ・メドベージェフ(Andrei Medvedev)氏を1999年の全仏オープン(French Open)決勝に導き、ニコラス・キーファー(Nicolas Kiefer)氏を50位圏外からランク4位に引き上げた。(c)AFP