【1月6日 Xinhua News】東京などの街頭で毎月第1土曜日の午後4時から5時にかけて、緑色のベストを着た人たちを目にすることができる。彼らは手にごみ収集のための道具と大きな袋を持ち、歩きながらごみを拾い、ルールに従い分別している。ベストにはパンダのキャラクターと「ピカピカ隊」という文字がプリントされており、新型コロナウイルス感染症の流行期間中も、ボランティア活動を続けてきた。

 活動を主催するAya(仮名)さんは「生きていれば多くの人から誤解を受けることがあるでしょう。そういう時に言葉なんて必要ない、行動で証明すればいいの」と、この活動を始めた目的を語る。彼女は中国の「80後」(1980年代生まれ)で、日本に留学して仕事に就き、日本での生活は10年余りになる。2017年には、埼玉県の西川口駅近くに四川麻辣燙(マーラータン)の2号店をオープンさせた。

 同駅付近には多くのレストランが集まる。うち7~8割が中国人の経営で、「チャイナタウン」とも呼ばれている。日本のメディアはここ数年、これらの店舗が地元経済に活力をもたらしたと何度も報道しているが、その度に必ず「地元のごみ問題が心配だ」とも付け加えた。

 Ayaさんも2号店をオープンしたばかりの時に、取材に訪れたメディアから周辺のごみ問題についてどう思うかと質問され驚いた。

 この取材を受けた後、Ayaさんは周辺の中国人オーナーに提案書を書き、街をきれいにするために皆で力を合わせようと呼び掛けた。彼女の提案は次第に発展し、200人以上の在日中国人が参加するボランティア活動になった。西川口駅1カ所だった活動は、池袋、上野、横浜などへと大きく広がった。

 Ayaさんらのたゆまぬ努力で、西川口周辺の街の環境は大きく改善された。NHK、共同通信社、テレビ朝日など多くのメディアが活動を取り上げると、一部の視聴者はハガキや手紙で応援や感謝の気持ちを届けた。

 中国人ボランティアの行動は彼ら自身を証明し、周辺にもメリットをもたらした。Ayaさんは実際の行動で誤解をなくしたいと思っており、また中国人と日本人がお互いの理解を深めていくことを願っている。(c)Xinhua News/AFPBB News