【1月5日 AFP】(更新)中国の大手国有資産管理会社の元会長が5日、約270億円の賄賂を要求した罪や重婚罪などで死刑判決を受けた。

 死刑が言い渡されたのは、元共産党員で、香港上場企業である中国華融資産管理(China Huarong Asset Management)の頼小民(Lai Xiaomin)元会長。

 天津(Tianjin)の裁判所は、頼被告が「巨額」の賄賂を得ようと自身の立場を悪用したとして、状況は「極めて深刻」で、被告には「甚だしい悪意」があったと指摘した。

 頼被告は、昨年1月に国営中国中央テレビ(CCTV)で詳細な「自白」をしていた。映像には、同被告の所有物とされる首都北京のマンションと、その室内にある巨額の現金が詰まった金庫や戸棚が映っていた。

 頼被告は、婚姻関係にない女性と夫婦として長年暮らし、複数の非嫡出子をもうけたとして、重婚罪で有罪判決を受けていた。

 さらに、2009~18年に公的資金2500万元(約4億円)超を着服したとして、2018年4月から捜査対象になっていた。頼被告はCCTVに対し「一銭たりとも使っていない、ただそこに保管していただけ」であり、「使うつもりなどなかった」と話していた。

 習近平(Xi Jinping)国家主席の下で始動した広範囲にわたる反汚職運動は、習主席や共産党指導部に対抗する勢力を標的にする手段にもなっているとの指摘がある。

 CCTVは、出廷にも至っていない容疑者が罪を認める様子を放送することが頻繁にあり、これについて弁護士や人権団体は以前から、自白の強要に当たると批判している。(c)AFP