【1月6日 CNS】中国では新型コロナウイルスが拡大する以前から、食事のデリバリーは広く浸透していた。自分で料理せず、お手軽な値段でいろいろなメニューから食事を選ぶことができる。特に、ある程度の料金に達すると割引される「満減券(定額条件クーポン券)」を集めて使う消費者も多い。しかし、その実態を調べた南京財経大学(Nanjing University of Finance & Economics)などの研究チームは、こうした割引サービスは実態のない「煙幕」のようなものだと指摘する。

 多くの飲食店について調査した研究チームによると、飲食店側は顧客がクーポン券を使うことを前提にあらかじめ割引分を価格に上乗せしており、クーポン券を使って得するどころか、それでもなお割高の場合があるという。

 ある飲食店経営者は研究チームに「フードデリバリーのサイトでは配達料や手数料が含まれ、そもそも料金が高い。そこに定額条件クーポン券の仕組みがあり、消費者は本来の適正価格が分かりにくい。消費者を混乱させるやり方で、消費者は実際には恩恵を受けていない」と打ち明けている。

 一方で研究チームは「飲食店のこうしたやり方はやむを得ない面もある」と指摘する。フードデリバリーの注文サイトは各飲食店から手数料を徴収しており、ある大手サイトは料金の約20%を要求している。研究チームの分析によると、注文サイトへの手数料を最終的に負担しているのは飲食店側が90.3%で、消費者側は9.7%という。手数料は高いが顧客を失うわけにはいかない。このため、飲食店は定額条件付きクーポン券を使わざるを得ないという。

 一方で、新型コロナウイルスが最も拡大した2020年上半期、多くの市民がフードデリバリーを注文することが常態化すると、大手飲食店は注文サイトの手数料分を顧客側に上乗せするようになったという。

 古くからのことわざに「天下没有白吃的午餐(この世に無料の昼ご飯はない=タダほど高いものはない)」という警句がある。見せかけの「お得」を求めてクーポン券を躍起になって集める前に、冷静になる必要があると、研究チームは呼びかけている。(c)CNS-揚子晚報/JCM/AFPBB News