【1月5日 AFP】チェコの首都プラハ中心部で3日、霧に煙った底冷えのする午後の街角に、火がついたろうそくを入れたビールグラスが2、3メートル置きにずらりと並べられた。政府庁舎から歴史地区の旧市街広場(Old Town Square)まで1キロに及ぶ「ビールグラスの鎖」は、醸造所が主催した新型コロナウイルス規制への抗議デモだ。

 プラハ南部で小さな醸造所を経営するイリ・ヤネチェク(Jiri Janecek)さんは、「私たちがここにいるのは心底絶望しているから。肉体的にも精神的にも、もう我慢の限界だ」とAFPに語った。

 チェコは1人当たりのビール消費量で世界一を誇る。だが、ヤネチェクさんによると、昨年3月以降に政府が3回にわたって導入した飲食店の閉鎖措置により、酒造業界は打撃を受けた。

 事業補償も微々たるものだと不満をもらしたヤネチェクさんは、「規制を誤って発動し、貧困、失業、企業の倒産という(新型コロナよりも)はるかに致命的な大流行を引き起こした」と政府を非難した。(c)AFP