【1月4日 AFP】2020年にブラジルで発生した森林火災件数は前年比12.7%増の22万2798件で、2010年以来の多さだったことが、ブラジル国立宇宙研究所(INPE)の発表で明らかになった。アマゾン(Amazon)熱帯雨林破壊をめぐりジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)政権への圧力が強まることは必至だ。

 うち10万3000件超はアマゾン熱帯雨林のブラジル領内で発生し、同地域内での発生は前年比で16%近く増加した。INPEは衛星写真を使い、火災の発生と森林破壊を把握している。

 総件数のうち2万2000件超は世界最大の湿原、パンタナル(Pantanal)湿地帯のブラジル領内で発生。前年比で120%以上増加し、同湿原は壊滅的被害を受けた。

 専門家らによると、アマゾン熱帯雨林の火災の多くは農作や放牧のために土地を切り開こうとした人間が放った火が原因で起きたものだという。

 アマゾン熱帯雨林のブラジル領内で発生した火災件数は、ボルソナロ氏の任期1年目の2019年に前年比48.7%増加し、国際的非難を浴びていた。

 アマゾンとパンタナルは地球上で最も貴重な生態系の一部。アマゾン熱帯雨林の約60%はブラジル領内にある。(c)AFP