【1月5日 People’s Daily】会社の設立に必要な公的手続きを一つにまとめる「ワンストップサービス」を導入し、企業がスタートアップするまでの負担を軽減する。中国湖北省(Hubei)は各行政部門が提携し2020年8月1日から、企業の設立に必要な各種手続きを1つにまとめる制度改革を始めた。企業の登記、印章の発行、請求書の申請、社会保障登記という4つの手続きを統合し、「1つの申請、1つの窓口」という対応を実現。会社の設立手続きが1日ですべて終了し、手数料もゼロとなった。2020年10月までに湖北省全体で1477万元(2億3300万円)の手数料が減免された。

 武漢市(Wuhan)の女性、姜莎(Jiang Sha)さんは環境保全技術に関する企業を設立する計画を進め、早くも環境保護プロジェクトを実施する見通しが立った。ただ、そのためには1週間以内に営業許可証などが必要となり、彼女は一時、かなり動揺した。「初めての起業で要領が分からないのに、申請には多くの資料が必要で、手続きの流れも複雑。とても間に合わない!」

 姜莎さんは焦りつつ、ともかく武漢市青山区の行政窓口を訪れて相談してみた。すると意外なことに、手続きは順調に進んだ。起業支援行政サービスセンターの職員が必要な手続き情報をオンラインで入力し、1時間足らずで審査が終了。手数料は無料で、2日後には企業の「身分証明書」である営業許可証や印章が郵送で届いた。

「ワンストップサービスの話は聞いていて良いことだとは思っていましたが、まさかここまでスムーズで早いとは思ってもいませんでした」と安堵(あんど)の息を漏らす姜莎さん。その後、環境保護プロジェクトは順調に進んでいる。

 新型コロナウイルス感染症の被害を最も受けた湖北省にとって、企業活動を活性化させることは最重要課題。湖北省は企業の優遇制度や市場活性化策を次々と打ち出し、各種手続きの時間短縮、審査の効率向上、手数料の減免を進めてきた。2020年10月末現在で、湖北省で活動する企業は前年末から5.1%増の142万2500社に達した。4~10月の新規企業数も前年同期比6.7%増の16万3700社となっている。(c)People’s Daily/AFPBB News