「気候正義」で訴えられる世界の国や企業
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■誰の責任か?
環境関連の訴訟において、原因と結果を地球規模で論ずるには注意が必要だ。
コロンビア大学のバーガー氏は「ある特定の事象について特定の関係者を責めると、因果関係や責任をめぐる議論を呼ぶ」と指摘した。
しかし、因果関係を特定する技術は格段に進歩している。
2020年夏にロシアのシベリア地域を襲った熱波は、気候変動なしでは「ほぼ起こりえなかった」と、複数の研究者が結論づけている。
米気候変動研究機関「CAI(Climate Accountability Institute)」は、2019年12月の報告書で1965年以降の化石燃料由来の排出量を分析し、ワースト20社による二酸化炭素とメタンの排出量は全体の35%を占めると指摘している。
■自然にも権利がある
近年、アジアや中南米を中心に、河川などの自然物にも権利を認める司法判断が下されている。
コロンビアの憲法裁判所は2016年、同国のアトラト川(Atrato River)を、権利を持つ「法的存在」として認知しており、またコロンビア側のアマゾン地帯も2018年に最高裁から同様の地位を得ている。
環境保護団体ストップ・エコサイド財団(Stop Ecocide Foundation)のジョジョ・メータ(Jojo Mehta)代表は、こうした裁定は「非常に重要」と述べる。
「ただ、侵害に対する罰則がないと権利は踏みにじられる」とも付け加えた。(c) Amélie BOTTOLLIER-DEPOIS