【1月5日 Xinhua News】庄楚嫻(Zhuang Chuxian)さん(26)が小さな天使の男の子のフィギュア「ソニーエンジェル」を初めて手にしたのは大学4年生の時だった。その後5年間で各シリーズのフィギュア30個余りを集めた。庄さんは「机や窓際に整然と並べると童心に帰れる」と語る。

 ブラインドボックスの仕組みはシンプルだが「サプライズ」がある。消費者は箱を開けるまで中身が分からない。もう一つの魅力はその「不確実性」で、求めるものを手に入れる人もいれば、そうでない人もいる。すべては運次第だ。

 ミステリーボックスやブラインドボックスと呼ばれる玩具のルーツは、日本のカプセル玩具や福袋にまでさかのぼる。中国では「盲盒(マンホー、目隠しされた箱の意)」と呼ばれ、特に1990年代半ば~2000年代初めに生まれたZ世代の間で急速に人気を集めた。

 アルババグループ傘下の通販サイト「天猫(Tモール、Tmall)」がまとめたリポートでも、フィギュア集めがZ世代の間でおしゃれな靴やeスポーツ以上に人気のある趣味であることが裏付けられた。天猫では過去1年間に約20万人がそれぞれ2万元(1元=約16円)以上を盲盒に費やしたという。

 華南師範大学心理学院の韋文琦(Wei Wenqi)副教授は「物質が豊かになった時代で若者たちは、製品の機能的価値より情緒的価値を重視するようになった」と指摘する。

 ブラインドボックスブームの過熱は喜びや期待をもたらす一方で、中毒性とばくち性によるいびつな消費を形成しつつある。専門家は、特に未成年の間で依存症や過剰消費の危険性があると警告している。(c)Xinhua News/AFPBB News