【1月3日 AFP】国連(UN)とアフリカ連合(AU)は昨年12月31日、スーダン西部ダルフール(Darfur)地方で13年間展開した平和維持活動(PKO)を終了した。ただ、最近武力衝突が発生しており、住民は新たな戦闘を警戒している。

 国連・AUダルフール合同活動(UNAMID)のアシュラフ・エイサ(Ashraf Eissa)報道官は、「ダルフールでの平和維持活動は12月31日午後11時59分に終了した」と発表。「2021年1月1日付でUNAMIDの部隊と治安要員は、ミッションの縮小活動や人員、資産の警備を行うことに重点を置く」と説明した。

 エイサ氏によると、ミッションに参加した約8000人の軍事・文民要員は半年以内に段階的に撤退する予定となっている。また、UNAMIDは、スーダン政府が「域内の民間人の保護責任を引き継ぐ」としている。

 ダルフールでは2003年、少数民族の反政府勢力が首都ハルツームのアラブ系政府に対して蜂起し、政府は悪名高いアラブ系民兵組織「ジャンジャウィード(Janjaweed)」を取り込み支援することで反撃した。国連によると、紛争の死者は計30万人、避難民は250万人に上った。

 ダルフールの激しい紛争はここ数年でおおむね鎮まり、長く独裁体制を敷いたオマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)大統領は2019年に失脚した。バシル氏にはダルフールでのジェノサイド(大量虐殺)などの罪で国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ている。

 ただ、スーダンの暫定政権は脆弱(ぜいじゃく)で、民族や部族間の衝突は依然定期的に発生している。先月にも衝突により少なくとも15人が死亡、数十人が負傷した。

 ダルフールの住民の大半は自宅から逃れた後、何年も収容施設にとどまっており、ここ数週間はPKO部隊が近く撤退することに抗議している。(c)AFP/Abdelmoneim Madibu with Menna Zaki in Khartoum