【1月2日 AFP】イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)に所属するFWエディンソン・カヴァーニ(Edinson Cavani)が、人種差別的な言葉を使ったとして処分を科された件について、同選手の母国ウルグアイの言語アカデミーが怒りをあらわにした。

 イングランドサッカー協会(FA)は昨年12月31日、カヴァーニがスペイン語で小さな黒人を意味する「ネグリト(negrito)」という言葉をインスタグラム(Instagram)上で使ったことに対し、3試合の出場停止処分と罰金10万ポンド(約1400万円)を科すと発表した。

 自身が活躍した試合の後、ソーシャルメディア上での祝福に対して「ありがとう、ネグリト」と返答したカヴァーニは、英国では軽蔑的な言葉として受け取られると知らされると、すぐに投稿を削除し、「人種差別には完全に反対」と話すなど謝罪していた。

 しかしFAは、カヴァーニのコメントは「侮辱的かつ暴力的で不適切」だったとし、「競技の評判を落とした」と判断した。

 カヴァーニの発言が人種差別的だったかどうかについて論争になる中、ウルグアイの国立文学アカデミー(Academia Nacional de Letras)は同選手を擁護する姿勢を示し、「ネグロ(negro)」やその指小辞の「ネグリト」という言葉は、太ったを意味する「ゴルド(gordo)」や痩せたを意味する「フラコ(flaco)」などと同じく愛情を示す言葉として一般的に使われると主張している。

 アカデミーは、これらの言葉はウルグアイのスペイン語ではカップルや友人、家族間などで頻繁に見聞きされるもので、「実際、対象となる人が必ずしも太っていたり色黒だったりするわけではない」とコメント。処分に「強く反対」すると述べた。

 また、FAの決定は文化や言語に関する知識の欠如が招いたものだとする見解を示し、「(FAは)世界最高レベルにあるウルグアイのスポーツ選手に対して極めて不当な扱いをし、言語、特にスペイン語の用法に関して、その複雑性や文脈に注意を払わず無知をさらした」と締めくくった。(c)AFP