【12月31日 AFP】米連邦捜査局(FBI)が「米史上最悪の連続殺人犯」と呼ぶサミュエル・リトル(Samuel Little)受刑者が30日朝、カリフォルニア州の病院で死亡した。80歳だった。カリフォルニア州矯正局が発表した。ロサンゼルス郡検視局ではまだ死因を特定していないという。

 サミュエル・マクドウェル(Samuel McDowell)という別名を持つリトル受刑者は、1970年から2005年にかけて93人を殺害したと自白。しかし全米各地で重ねられた犯行は、数十年にわたって発覚していなかった。

 被害者の大半は女性で、主に薬物依存者や売春婦だった。多くの場合、遺体の身元が特定できなかったり、事件として捜査が行われなかったりした。

 2014年に仮釈放なしの終身刑3回分を言い渡され、収監されて以降、リトル受刑者は獄中で余罪の犠牲者の名前を挙げ始めた。FBIは昨年、少なくとも50件の殺害の関与が確認されたと発表。その他の犯行に関わる自白も全て「信ぴょう性がある」と認めた。

 身長190センチ、元ボクサーのリトル受刑者は、被害者を殴り倒してから首を絞めて殺すのが手口で、刺し傷や銃傷といった明らかに殺人と分かる痕跡を残さなかった。そのためリトル受刑者に殺害された多くの犠牲者が、本人の背景と相まって、薬物の過剰摂取死や事故死、あるいは自然死として扱われていた。

 最近の米メディアの報道によると、同受刑者は心臓病と糖尿病を患っていたという。(c)AFP