【12月31日 AFP】スイスで米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ベンチャーのビオンテック(BioNTech)が共同開発した新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた高齢者が5日後に死亡した件について、スイス当局は30日、死亡とワクチンが関連している可能性は「極めて低い」と発表した。

 スイスの医薬品承認機関であるスイスメディック(Swissmedic)および同国中部ルツェルン(Lucerne)州当局は、同国の新型コロナワクチン第1弾の接種を先週受けた91歳の高齢者が死亡したとの報道を認めた。

 しかし、スイスメディックの広報はAFPに対し、このルツェルンの老人ホームの入居者がワクチン接種から5日後の29日に死亡したのは「偶然」だと強調した。

 スイスメディックは、「州保健当局とスイスメディックが病歴と病気の進行に基づき調査したところ、死亡と新型コロナウイルスワクチンが関連している可能性は極めて低い」と説明。「病歴も(死に至った)急性の経過も、ワクチンと死の直接的な因果関係を示唆するものではない」

 亡くなった入居者には複数の「基礎疾患」があり、死亡証明書にはそれらの基礎疾患が死因として記載されているとスイスメディックは説明した。

 ワクチンを開発したファイザーとビオンテックの2社は、「現在優先的にワクチン接種が行われている高齢者や高リスク群では、残念ながら、ワクチンとは関係のない死を含む重篤な有害事象が一般集団での発生率と同程度に起こる可能性が高い」と述べた。(c)AFP