【12月30日 AFP】アルゼンチン議会上院は30日、人工妊娠中絶を合法化する法案を可決した。南米で中絶が合法化されている国はごくわずかしかない。

 人口4400万人のアルゼンチンでは、毎年何十万件もの違法な中絶手術が行われてきた。賛成派は長年にわたり、人工中絶を合法化することによって危険な違法中絶をなくすよう、当局に訴えてきた。

 上院での法案審議は12時間以上に及んだ。賛成38、反対29、棄権1で可決されると、首都ブエノスアイレスの街頭に集まった大勢の賛成派が歓声を上げた。新法では、妊娠14週目までであればどの時点の人工妊娠中絶であっても合法とみなされる。

 南米には、世界で最も厳しい中絶関連法が設けられている国がある。アルゼンチンでも、これまで中絶が認められてきたのはレイプによる妊娠か母体の命に危険がある場合のみだった。

 中南米で妊娠中絶が合法化されているのは、キューバ、ウルグアイ、ガイアナの3か国とメキシコ市のみ。エルサルバドルやホンジュラス、ニカラグアでは中絶は禁止されており、たとえ流産であっても女性に禁錮刑が科される可能性がある。(c)AFP/Daniel MEROLLA