【12月30日 Xinhua News】中国の北京大学(Peking University)によると、同大学が法人として北京市のサイエンスシティー「北京懐柔科学城」に建設を進めてきた「マルチモード・トランススケール生体医学イメージング施設」の本体屋上部分がこのほど、完成した。

 同施設は、第13次5カ年計画(2016~20年)の国家重点科学技術インフラで、単体の建築物としては北京大学で過去最大規模となる。施設では将来的に生命体の構造や機能をトランススケールで可視化し、正確に測定する計画となっている。

 北京大学によると、同施設の総投資額は17億元(1元=約16円)以上、新たに建設される面積は7万2千平方メートルで、工期は5年となっている。主に、マルチモーダル医学イメージング装置やマルチモーダル生体細胞イメージング装置、マルチモーダル高解像度分子イメージング装置、全スケール画像データ統合システムなどを設置する。

 イメージング施設は科学研究や医療、教育、産業などで幅広い需要があり、マルチモーダル・トランススケール・イメージング技術は生物医学関連の主要研究で重要な役割を担っている。

 北京大学分子医学研究所教授で、イメージング施設首席科学者の程和平(Cheng Heping)中国科学院院士(アカデミー会員)は、同施設の完成後、脳科学や認知科学、神経疾患、心血管・脳血管疾患、生殖・発達、幹細胞・再生、がん診断など、国内の生命科学分野の研究を促進すると指摘。中国の生体医学イメージング分野の研究開発推進をけん引する役割を担うとの見方を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News