眠る「宝」がもたらした安定の生活 「無形文化財就業工房」が貧困解消に貢献
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【12月29日 People’s Daily】「最近は生活に張りができて、いつも力がみなぎっていますよ!」
中国甘粛省(Gansu)臨夏回族自治州(Linxia Hui Autonomous Prefecture)の張宏傑(Zhang Hongjie)さんは元気な声を上げる。地元にできた「貧困解消プロジェクト・無形文化財就業工房」で、数年前から臨夏地方に伝わるレンガ彫刻に取り組んでいる。貧困世帯だった張さんの収入は現在4000元(約6万3000円)を超え、生活は安定している。
貧困家庭が収入を増やすため、技術を磨くことは大きな手段となる。そして貧困地域や少数民族の地域は、切り絵細工や刺しゅう、絵画、金細工、伝統建築など優れた無形文化財が「宝の山」のように残っている。そこに着目した文化観光省は2018年7月から、各地に「貧困解消プロジェクト・無形文化財就業工房」の建設を促進した。全国の工房で約2200項目のプロジェクトが進み、50万人近くが就業。20万世帯以上が貧困を脱出した。
山間部に位置する貴州省(Guizhou)黔東南ミャオ族トン族自治州の麻料村(Maliao)では近年、無形文化財就業工房で銀細工の製品を作り、観光にも力を入れていた。しかし新型コロナウイルスの拡大により観光客は減少し、銀細工の売り上げも落ち込んだ。
だが6月に入ると、いいニュースが舞い込んだ。文化観光省と商務省などが音頭を取り、大手オンラインサイトが合同で「無形文化財セール」を開催。各地の工房で作られる製品の販売を後押しした。麻料村の銀細工職人、潘仕学(Pan Xixue)さんはインターネットの知識を学び、ネット通販に励んだ。「辺境の地に住んでいる私たちが大都市と直接つながった。新たな販売ルートが確保され、大きな自信となりました」
無形文化財就業工房は、各地の「潜在能力」を引き出すことで、貧困世帯が地元で働く道を提供している。
30世帯ほどの集落がある甘粛省隴西県(Longxi)雲田鎮(Yuntian)では、多くの村人が出稼ぎで生計を立てていた。その一人、牟淑平(Mu Shuping)さんも夫とともに出稼ぎに出ていたが、村に隴西刺しゅうの就業工房が誕生し、牟淑平さんら約20人の女性が研修を経て職人となった。工芸品を作って金を稼ぎ、子どもや親の世話をする。そんなささやかな幸せを手に入れることができた。
湖南省(Hunan)花垣県(Huayuan)でも、出稼ぎに出ていた女性たちが故郷に戻り、工房で刺しゅう作りにいそしんでいる。「家族と一緒に家で過ごしながら仕事ができるのは本当に幸せ」。女性たちは一様に喜びの声を上げている。(c)People’s Daily/AFPBB News