【12月31日 People’s Daily】2020年は中華人民共和国の歴史において特別な1年となった。

 新型コロナウイルスの発生により中国の経済、社会は未曽有の影響を受けた。それでも厳しく困難なこの歴史的試練に耐え、感染の抑制と経済の再開を両立させ、世界の最先端を走っている。中国共産党創立100周年に当たる2021年までに小康社会(ややゆとりのある社会)を全面的に完成させる「第1次100年奮闘目標」の達成に向けてまい進する節目の1年となった。

一連の経済統計は、中国経済の底力を証明している。5月にはサービス業がプラス成長に転じ、6月には輸出入貿易がプラス成長となり、7月は小売業が回復した。今年の第1~3四半期(1~9月)の国内総生産(GDP)は前年同期比で0.7%の成長を記録した。

 経済の安定回復により、第1~3四半期の固定資産投資も前年同期比で0.8%増となった。中国江蘇省(Jiangsu)の蘇州市(Suzhou)と南通市(Nantong)を結ぶ滬蘇通(こそつう)長江公鉄大橋が完成し、四川チベットなどの大型プロジェクトも進展している。第5世代移動通信システム(5G)や人工知能(AI)などの新型インフラの建設も加速している。

 消費も徐々に回復している。10月の国慶節(建国記念日)連休期間は観光客が昨年の約80%までに復調。11月11日を中心とした世界最大のオンラインショップセール「双11」では、何億もの人々が商品を購入した。10月の飲食店の売り上げは前年同月比で0.8%増となった。貿易も活発さを取り戻し、第1~3四半期の輸出入総額は0.7%増を記録している。

 コロナ禍に対応する中、新しい生活・経済様式も生まれた。在宅勤務やオンライン教育が浸透し、クラウドコンピューティングやAIなどの新技術が急速に発展。デジタル経済やスマート製造業などの新産業が中国経済をけん引している。

 市民の生活を保障する環境も進んでいる。1~10月の都市部の新規就業者は1009万人に達し、政府の年間目標900万人を前倒しで突破した。政府の基準でリストアップしたすべての農村が貧困層から脱却し、長年の目標だった貧困撲滅を達成した。

 経済の安定回復は、政府の強力なリーダーシップがもたらした。コロナ禍において企業を苦境から救うため、減税や手数料減免の規模は2.5兆元(約39兆7000億円)を超え、金融システムが実体経済にもたらした利益は1.5兆元(約23兆8000億円)と推計されている。生産や就業の回復、産業チェーンの維持が国民経済の循環を保ち、中国経済は強い回復力と活力を見せつけている。

 2020年の1年間は、中国があらゆるリスクや試練を克服する底力と知恵を備えていることを証明した。風雨や荒波を乗り越えた「巨大船中国号」は、社会主義現代化強国の総合的建設に向けて新たな1年を迎える。(c)People’s Daily/AFPBB News