【12月30日 AFP】ドイツ中部で、伴侶を失った白鳥が、線路に落ちた死骸のそばから離れようとせず、計23本の列車が約1時間にわたって運行停止を余儀なくされた。警察が28日、明らかにした。最終的には消防隊が出動し、特殊装置を使ってこの白鳥を移動させたという。

 カッセル(Kassel)警察の発表によると、列車運行に乱れが出たのは23日、カッセルとゲッティンゲン(Gottingen)間の高速鉄道。

 2羽の白鳥が線路上空に飛来し、そのうちの1羽が送電線に引っ掛かって死んだとみられる。残された白鳥は、連れの死骸の近くに座り込んでしまった。

 この白鳥は、関係者らが線路からおびき出そうとしても動かず、列車は一時運行を停止。出動要請を受けた消防隊は特殊装備を用い、この白鳥と死骸を線路外に移動させた。

 この間、列車23本に約50分の遅延が発生。生き残った方の白鳥は、無事フルダ(Fulda)川に放されたと、警察は明かしている。

 英国王立鳥類保護協会(RSPB)によると、白鳥には一生を共にする伴侶を見つけようとする習性があるという。(c)AFP