【12月29日 AFP】南アフリカの新型コロナウイルス感染者がアフリカで初めて100万人を超えたことを受けて、シリル・ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領は28日、酒類の販売を禁止し、公共の場でのマスク着用を義務付けると発表した。

 ラマポーザ氏は一連の新措置を導入する理由について、通常の新型ウイルスより感染力が強い可能性がある変異種などによって、感染者が「急増」したためだと説明した。

 ラマポーザ氏は、感染を「超拡大」する社交行事やクリスマス休暇中の「著しい気のゆるみ」を指摘。「われわれは今、警戒をゆるめたことの代償を支払っている」

 南アフリカは、新型ウイルス流行の第1波に見舞われた今年3月も、酒類の販売を禁止していた。

 ラマポーザ氏は、「過剰な飲酒」が外傷患者の増加につながるとデータで示されていると説明。外傷患者の入院によって、「すでに逼迫(ひっぱく)している医療施設に無用の負担を課す」ことになると主張した。

 南アフリカでは新型ウイルスの流行が始まって以来、医療従事者4万1000人以上が感染。27日には累計感染者数が100万人を超え、死者数は2万7000人近くに上っている。

 ラマポーザ氏は、「断固とした行動を今取らなければ、新規感染者数は第1波をはるかに上回り、命を落とす人の数も数千人増えることになるだろう」と訴えた。(c)AFP