【12月28日 AFP】今年世界で発生した気象災害のうち、特に大きな経済的損失をもたらした10件の合計補償額は1500億ドル(約15兆5400億円)に上った。2019年の額を上回り、地球温暖化の長期的な影響を表す結果となった。英ロンドンの国際援助団体「クリスチャン・エイド(Christian Aid)」が28日に発表した報告書で明らかになった。

 これら10件の災害による死者数は少なくとも3500人で、1350万人以上が避難を余儀なくされた。

 1月にオーストラリアで発生した制御不能の森林火災や、11月に大西洋で観測された記録的な数のハリケーン、アジアでの洪水やアフリカでのバッタ大量発生などによる損害の多くが保険外のため、実際の損失額は1500億ドルよりはるかに多い。

 クリスチャン・エイドの年次報告書によれば、当然のことながら貧困国は不相応に大きな負担を背負うこととなった。

 また報告書は英医学誌ランセット(The Lancet)に先月掲載された研究を引用して、低所得国では気象災害に起因する経済的損失の4%にしか保険がかけられていなかった一方、高所得国ではその割合は60%だったと述べた。(c)AFP/Marlowe HOOD