【12月28日 Xinhua News】中国人民銀行(People's Bank of China、中央銀行)と中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)、中国証券監督管理委員会(証監会)、中国国家外貨管理局などの金融管理部門は26日、電子商取引(EC)大手アリババ・グループ(Alibaba Group)傘下で電子決済サービス「支付宝(アリペイ、Alipay)」などを運営する螞蟻科技集団(アント・グループ、Ant Group)に対し、合同で監督上の指導を行った。

 人民銀行の潘功勝(Pan Gongsheng)副総裁が今回の指導について、金融管理部門を代表して記者の質問に回答した。要旨は次の通り。

 今回の指導は、アント・グループが市場化、法治化の原則に基づき、金融監督管理や公平な競争、消費者の合法的権益保護などの要求を実行に移し、金融業務の運営と発展を規範化するよう督促、指導することが目的だった。

 金融管理部門は金融関連の法律・法規と監督・管理要求に基づき、アント・グループに対し①コーポレートガバナンス(企業統治)の仕組みが不健全である②法律意識が希薄で、監督・管理要求を軽視している③市場での有利な立場を利用し、競合他社を排除している④消費者の合法的権益を侵害している──など経営上の問題を指摘した。

 その上でアント・グループに対し、主要業務の改善要求として①支払いの本業に回帰し、取引の透明度を高め、不正な競争を行わない②法律・法規に沿った個人信用調査業務を行い、個人情報を保護する③法に基づき金融持ち株会社をつくり、監督・管理要求を厳格に実行し、自己資本の充足と関連取引の合規性を確保する④コーポレートガバナンスを改善し、規定に違反した信用貸し付けや保険、資産運用などの金融活動を厳格に是正する⑤法律・法規に基づき証券・ファンド業務や資産証券化業務などを行う──よう求めた。(c)Xinhua News/AFPBB News