【12月30日 Xinhua News】中国江蘇省(Jiangsu)の蘇州大学(Soochow University)はこのほど、同大学紡績・服装工程学院の陳宇岳(Chen Yuyue)教授のチームが長年にわたる試行錯誤を重ねて、効果が長期間持続する抗菌・抗ウイルス繊維の研究開発に成功し、工業生産を実現したことを明らかにした。生地の抗ウイルス・抗菌率は99%以上で、洗濯を繰り返しても効果が持続する。

 陳教授によると、同チームは長年、銀ナノ粒子と抗菌繊維の研究に取り組んでおり、今年、新型コロナウイルス感染症の発生後に、民間用の抗ウイルス繊維の開発に着手した。現在、効果の高い抗菌・抗ウイルス繊維の生産が順調に進められている。

 陳教授は「今回、銀ナノ粒子の織り込み技術を応用し、銀イオンを繊維内部の一定範囲に浸透させてから再度織り上げるという方法によって、耐洗濯性の堅ろう度を高めるという課題を解決した。この技術は綿、ウール、シルク、化繊などさまざまな繊維種に応用可能で、マスクやマフラー、下着、家庭用縫製品といった商品へ広く応用できるため、幅広い市場での将来性が見込める」と説明した。

 広東省(Guangdong)微生物分析検査センターが作成した報告書によると、陳教授のチームが開発した新型抗菌・抗ウイルス繊維は、A型インフルエンザウイルスのH1N1型やH3N2型などに対する不活性化率が99・7%以上で、カンジダ・アルビカンス、大腸菌、黄色ブドウ球菌などの細菌に対する抗菌率は99%以上だった。優れた耐洗濯性を有し、自然条件下で4カ月放置した後、権威ある第三者検査機関が標準的な洗濯を50回行ってもなお、抗菌効果は99%以上を保っていたという。(c)Xinhua News/AFPBB News