【12月28日 AFP】1922年にエジプトの「王家の谷」で英考古学者が墓を発見し、ツタンカーメン(Tutankhamun)は一躍有名になった。それは死後3000年以上たっていた。

 考古学者ハワード・カーター(Howard Carter)氏が6年をかけて発掘したとき、墓は無傷だった。4500点超の副葬品に金数百キロと、墓には珍しい宝が詰まっていた。

 ツタンカーメンは紀元前1333年にわずか9歳で即位し、統治期間は10年に満たず、治世中に名を残すことはなかった。

 父アメンホテプ4世(Amenhotep IV、別名:アクエンアテン、Akhenaten)は一神教を唱えたが、ツタンカーメンは多神教を復活させた。

 ツタンカーメンの死後、後継者らは改革を評価せず公式の王名表から名前を外し、存在を抹消した。

 この墓自体も予定外のものだった。独特な設計で小さいことから、若くして亡くなったときは未完成だったことがうかがえる。

 ツタンカーメンは虚弱だった。マラリアを患い、左足を激しく骨折していた。死亡したときは19歳だった。

 黄金のマスクのおかげか、ツタンカーメンの治世は3300年以上経て不朽のものとなった。古代エジプトで黄金のマスクは、不死と無敵を授けてくれる神々の肉を象徴していた。(c)AFP