【12月26日 AFP】ボスニア・ヘルツェゴビナ北西部の移民収容施設で23日、火災が発生した。施設は劣悪な状態のため火災の直前に閉鎖されており、火災による死傷者はいなかったが、この地域にいる3000人以上の移民の冬の収容先をめぐって危機的な状況になっている。

 収容所があったのは同国北西部リパ(Lipa)村の近く。地元警察はAFPに対し、火災による死傷者はいないが収容施設のインフラが損傷したと明らかにした。警察は、施設に滞在していた移民による放火とみている。

 リパは、ボスニア・ヘルツェゴビナと国境を接する欧州連合(EU)加盟国、クロアチアへの入国を目指す人々の中継地となっている。

 リパの移民収容施設は一時的な解決策として今年4月に開設されたもので、複数の人道支援団体から、冬を過ごすための設備が整っていないと指摘されていた。

 警察は、収容施設に滞在していた約1300人は、北西部ビハチ(Bihac)に向かうとみている。

 ビハチの移民受け入れ施設は地方選挙が行われる直前の今年10月に突然閉鎖された。連邦政府はこの施設の再開を求めているが、地元当局は拒否している。

 すでに約2000人が廃屋で寝泊まりしているビハチでは、地元住民が移民の流入に抗議しているため、緊張が高まる可能性がある。(c)AFP