【12月26日 AFP】ミャンマー東部の広範囲を非公式に支配している少数民族の反政府組織はこのほど、6歳の女児を誘拐、レイプ、殺害した男(30)に死刑を言い渡した。

 武装勢力、シャン州進歩党(SSPP)の一人は23日、死刑がこの男への「唯一の選択肢」だったと説明。男は暴行した後、遺体を崖から落とした。

 ミャンマー、タイ、ラオスの3か国にまたがる「黄金の三角地帯(Golden Triangle)」に位置するシャン(Shan)州では、武装した複数の民族が、ミャンマー軍と結んだ不安定な合意によって非公式に自治を認められている。この地域は無法地帯と呼ばれることが多く、世界に流通する違法薬物のヘロインやスピード、メタンフェタミンが大量に生産されている。

 SSPPのサイ・タン・アウン(Sai Than Aung)報道官は、この判決について「将来同じ罪を犯さないため、人々に与えられる教訓だ」と説明。被害者の両親が、男への死刑判決を求めていたと述べた。

 複数の非政府組織(NGO)によると、ミャンマーでは子どもへのレイプが頻発している。ヤンゴンに拠点を置く弁護士で女性の人権活動家、ラ・ラ・イー(Hla Hla Yee)氏は、子どもの保護や、特にオンラインポルノを対象とした性教育プログラムを強化するよう訴えている。

「ここの人々は、性教育の知識を持っておらず、その辺にいる子どもたちを標的にしている」とラ・ラ・イー氏は指摘し、子どもに対するレイプ事件が増えていると警告した。

 ミャンマーの国土の3分の1を社会の主流から取り残された民族が支配しているとみられている。

 シャン州の一部は武装した民族組織によって支配されており、その地域内の人々や司法機関に中央政府の司法権は及ばない。(c)AFP