【12月28日 Xinhua News】中国科学院青海チベット高原研究所はこのほど、第2次青海チベット高原総合科学調査研究チームが「アジアの給水塔」と呼ばれる青海チベット高原で氷河の貯水量と湖の水量、主な河川に流れ込む湧水量を調査し、これら三つの合計が9兆立方メートルを超え、少なくとも三峡ダム(Three Gorges Dam)の最大貯水量の230倍に相当する推定結果を明らかにした。

 青海チベット高原と周辺の高山地域はアジアの主要河川10数河川の水源地となっている。標高2500メートルの等高線で囲まれた「アジアの給水塔」の部分の面積は約400万平方キロで、ここを水源とする河川の流域面積は約1千万平方キロに及び、流域内の総人口は約20億人に上る。

「アジアの給水塔」は主に氷河、積雪、凍土、湖、河川などで構成されており、そのうち氷河の面積は約10万平方キロ、万年雪は約30万平方キロ、永久凍土は約130万平方キロ、湖は約5万平方キロとなっている。

 氷河の貯水量はその面積と厚さに左右される。現在、氷河の面積は容易に測定できるものの、広い範囲でその厚さを実測する技術や手法はまだ十分ではない。このため、氷河の厚さ模型に基づいて貯水量を求めた結果、青海チベット高原の氷河の氷貯蔵量は約8850立方キロメートル、水量に換算すると約8兆立方メートルになると推定された。

 湖の場合、面積が50平方キロ以上の湖を実測した結果、貯水量が約8150億立方メートルだと推定された。小さい湖の貯水量はまだ計測中という。

 主な河川に関しては、2018年度の観測とリモートセンシングを活用した調査結果に基づき、黄河や長江、瀾滄江、怒江、ヤルンツァンポ川など13河川に流れ込む湧水量が約6560億立方メートルと推定された。

 上記のデータにより、「アジアの給水塔」の氷河貯水量、湖の水量、主な河川に流れ込む湧水量の合計は9兆立方メートルを超えるとみられることが分かった。なお、積雪と凍土の水量はまだ計測中となっている。(c)Xinhua News/AFPBB News