【12月25日 People’s Daily】最近、中国生態環境省・商業省・発展改革委員会・海関総署連合は、2021年の1月1日から中国において全面的に固形廃棄物の輸入を禁止する告知を発表した。全ての方式による固形廃棄物輸入を禁止するとともに、海外の固形廃棄物を中国国内で投棄・埋め立て・処置することも禁止する。

 告知によれば、来年から中国国外の固形廃棄物を国内で投棄・埋め立て・処置することが禁止される。違反に関しては、国外の固形廃棄物を国内に輸入した場合、固形廃棄物法などの法律に基づいて、海関を通じて返却が命じられ、同時に罰金刑が科される。すなわち、犯罪として刑事責任を問われることになるのだ。運送を請け負った者も連帯責任を負う。2020年に生態環境省がすでに発行した「原料として利用できる固形廃棄物輸入許可証」については、2020年内が期限となっており、期限が過ぎれば自動的に失効する。

 中国生態環境省の広報担当である劉友賓氏(Liu Youbin)は次のように説明する。「新しく改正された『固形廃棄物環境汚染防止法』は9月1日から施行され、固形廃棄物の疑いが明らかになった輸入物に対して貨物種類の識別が行われ、不法に持ち込まれた固形廃棄物には返却や処理などの法的要求がなされます。また、処罰の程度が大幅に引き上げられました。2021年から、中国は全面的に固形廃棄物の輸入を禁止しますし、生態環境省ももはや固形廃棄物輸入に関する申請は受理も承認もしません」

 固形廃棄物は、生産生活やその他の活動の中で発生する、もともとの利用価値を失いはしたが利用価値自体は失っておらず、それでいて廃棄された固体・半固体の物質である。最初は密輸の形で中国に現れた固形廃棄物貿易は、最初は「海外ごみ」と呼ばれ、主に廃棄されたプラスチック・古紙・古くなったゴム製品・まれに金属や土砂などが含まれる。
 
 1980年代から中国の経済は急速に発展し、製造業を含む多くの産業で原材料に対する巨大な需要があった。海外から輸入された原材料として利用可能な固形廃棄物は、国内の資源を補うためでもあった。しかし時代は変わり、輸入される固形廃棄物は採掘された資源に取って代わられ、リサイクル資源の使用も増え、それらは確固として経済発展の促進に寄与している。しかし、経済の規模が迅速に拡大するにつれ、固形廃棄物の輸入量も絶え間なく増加し、ピーク時は6000万トンに迫った。大量の固形廃棄物の解体・処理・埋め立てで発生する汚染は大気や水、土壌など環境の安全を脅かし、生態環境が汚染され人々の健康を損なう負の側面は日に日に大きくなっていった。海外ごみを中国に入れることを禁止し、環境の質が改善されれば、国の生態環境の安全性を守り、質の高い経済発展を推し進めることとなろう。

 2017年、中国国務院は「海外ごみの持ち込みと固形廃棄物輸入を禁止する管理制度改革実施法案」を打ち出し、固形廃棄物輸入の種類と総量を大幅に削りはじめた。2018年、2019年と、中国の固形廃棄物輸入総量は40%以上の下げ幅を保っている。(c)People’s Daily/AFPBB News