■人間の行動がウイルス発生の原因に

「人間の行動がウイルス発生の原因になっていることは多い」とマガンガ氏は言う。「最近は、人口圧(経済活動に対して人口が相対的に過剰傾向になること)や集約的農業、または狩猟によって、人間と動物の接触が増えてきている」

 国連(UN)の専門家組織「生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)」が昨年10月に発表した報告書によると、動物を宿主とし、ヒト感染の恐れがあるウイルスは最大85万種、存在する。

 同報告書は、新興感染症のうち70%はヒトに感染する前に動物間で広がり、毎年5つ前後の新たな感染症がヒト間で発生すると指摘している。

 ガボンで発生するエボラのアウトブレイクは毎回、コンゴ共和国との国境に近いザディエ(Zadie)洞窟がある地域から感染が広がってきた。CIRMFの研究者らは、コウモリの標本を採取し、コウモリがエボラウイルスの宿主であることを確認した。

 マガンガ氏は、コウモリ間ではさまざまなコロナウイルス株が広がっていることも突き止めている。中には、ヒトに感染する新型コロナウイルス株に近いものもある。(c)AFP/Adrien MAROTTE