トヨタ・ミライが新型へ移行した。2代目となる新型ミライはメカニズムを完全刷新し、本格高級サルーンへと生まれ変わった。政府が突如として自動車の電動化を加速する見込みが報じられた、その5日後のことだった。

前輪駆動だった初代に対し、2代目は後輪駆動となった。プラットフォームはプリウスαなどと同系統の新「MC」から、クラウンやレクサスLSに用いる「GA-L」へ一新。これにより、ボディサイズは4975×1885×1470mm、ホイールベースは2920mm。先代比で全長は85mm、全幅は70mm、ホイールベースは140mm拡大されたが、逆に全高は65mm低くなっている。全Pくの拡大にともない、室内幅は130mm拡幅し、乗車定員は1名増えて5名になった。トランクルームは先代同様、ゴルフバッグ3個収納を謳うが、計測基準となるバッグのサイズが先代の9.5インチではなくひと回り9インチになっているのは見逃せない。

全面刷新されたパワートレインは、小型になった燃料電池(FC)スタックをフロントに置き、リアの電気モーターで後輪を駆動する。FCスタック出力は128kW(174ps)、モーター出力は134kW(182ps)で、先代比でそれぞれ14kW(19ps)/21kW(28ps)のアップ。一方、300Nmの最大トルクは先代よりも35Nmほど小さくなっている。

水素タンクはリア・アクスル前後のほかにセンター・トンネル内にも設置することで計3本へと1本増加。総容量も従来モデルよりも18.6リッター多い、141リッターへと拡大している。そのおかげで航続距離は約750~850kmへと、初代の650kmから2~3割ほど引き上げられた。アシスト用2次バッテリーは、ニッケル水素からリチウムイオンへ変更。AC出力や、別売の給電機を介した外部への電力供給には引き続き対応する。

安全装備や運転支援デバイス、コネクティッド機能は最新世代に進化。21年内にはレベル2の自動運転にも対応する予定だ。初代のモノ・グレード展開に対し、新型はショーファー・ドリブン向けを設定するなど5グレードへと拡大。これにより、リースが主流の水素燃料電池車(FCV)にあって、ミライは一般販売される世界でも稀有な例だが、新型はさらなる販売台数の増加が予想される。価格は710~805万円。

文=関 耕一郎

(ENGINE2021年2・3月合併号)