複雑に機能する時計のムーブメントは、もはや小宇宙といっても過言ではない。スーパースポーツカーにとってエンジンが大切なように、時計選びもエンジン=ムーブメントがキモなのだ!

BREGUET(ブレゲ)/クラシック ダブルトゥールビヨン 5345"ケ・ド・ロルロージュ"
いわゆる"ダイアルレス"のフェイス全面に特許のダブルトゥールビヨン・ムーブメントが露わに展開。イニシャルのBをあしらった2個の香箱から動力を得る2つの独立したトゥールビヨンは、中央の差動装置で連結され歩度を平均化。また各トゥールビヨンを連結するブリッジが時針を兼ねるのも独特。手巻き。プラチナ、ケース直径46㎜、3気圧防水。税別6850万円(2020年11月現在)。

ムーブメント裏面も見どころ。創業者ブレゲがパリのケ・ド・ロルロージュに構えた工房の建物が手彫りの彫金で精緻に描かれていて圧巻。

BREGUET

トゥールビヨンの発明者アブラアン-ルイ・ブレゲの伝統を受け継ぐ現代のブレゲの代表作のひとつは「ダブルトゥールビヨン」だ。今まではダイアルがセットで覆われていたデザインを新作では初めてオープンスタイルに変え、精巧なムーブメントも大胆にスケルトン化。独立した2つのトゥールビヨン機構を搭載したムーブメントのプレート自体も12時間で1回転するという超複雑な機構を惜しげもなく露わにた。 両キャリッジの回転とプレートの回転によって刻々と姿を変える時計のフェイスの視覚的な楽しさもまさしく倍増だ。

時計ジャーナリスト・菅原 茂はこう見た!

2006年に初めて発表された「ダブルトゥールビヨン」がついにオープンスタイルのデザインで登場。実機を見た私もそうだが、これぞ熱心なブレゲ愛好者やメカに好きが長年待望したモデルだ。複雑機構の独創的な設計やトゥールビヨンの動きと合わせて、美しいスケルトン加工や仕上げも目を楽しませ、またとない贅沢が味わえる。

ENGINE編集部・前田清輝はこう見た!

1分で1回転する2つのトゥールビヨンが時針の両端に設けられ、ダイアル・プレート自体が回転するという複雑な機構もスゴいが、その美しい仕上げと緻密に組み合わされたパーツの動きに目を奪われる。また、ケースバックには、かつてブレゲが居を構えた建物の精緻エングレーブが。表から見ても裏から見ても、もはや芸術品といえよう。

文=菅原 茂/前田清輝(ENGINE編集部)
(ENGINE2021年1月号)