好評だったスタイリングはほぼ先代のままに、中身だけを一新するといった斬新なフルモデルチェンジで生まれ変わったN-ONEに横浜で乗った。

実に8年ぶりのフルモデルチェンジを受けて登場した新型ホンダN-ONE。けれども一見しただけでは新型だと気づかない人がほとんどに違いない。ホンダ初の4輪乗用車であるN360をモチーフにした、個性的かつタイム・レスなデザインこそが支持された大きな理由だとして、ほぼそのまま踏襲されているのだ。

一方で中身は完全に刷新されている。プラットフォームは現行N-BOXから採用された新世代のもので、車体の軽量化や高剛性化を実現。しかも、全グレードに前後スタビライザーを採用し、液封エンジン・マウントや遮音機能付きフロント・ガラスなどにより静粛性にも配慮するなど、そのポテンシャルをフルに活かせるよう作り込まれている。

実際、その走りっぷりは軽自動車らしからぬ上質な仕上がりだ。しっかりとしたボディを土台にサスペンションがよく動き、乗り心地は良好。840kgとN-BOX などの“ハイト系”よりはるかに軽い車重のおかげで、動力性能は自然吸気エンジンでも不足を感じさせない。2名乗車くらいまでなら、高速道路ですら不満を感じることはなさそうだ。

電動パーキング・ブレーキ、全車速追従機能付きアクティブ・クルーズコントロール(ACC)など快適装備も充実しており、ここでも軽自動車ということを意識させない。ダウンサイザーにとって、まさにうってつけの1台と言えそうである。

文=島下泰久 写真=宮門秀行

(ENGINE2021年2・3月合併号)