【12月25日 AFP】イタリアで新型コロナウイルスに感染して亡くなった人の遺族ら約500人が、新型ウイルスの感染が拡大したのは政府が初期対応で失敗を繰り返したためだとして、国などを相手取り、約1億ユーロ(約126億円)の損害賠償を請求する集団訴訟を起こした。市民団体が23日、明らかにした。

 訴訟を主導する市民団体「Noi Denunceremo(私たちは訴える)」はすでに、新型ウイルス感染の第1波の被害が最も大きかった北部ロンバルディア(Lombardy)州の都市ベルガモ(Bergamo)で、約300件の告訴状を検察に提出している。

 同団体によると、この集団訴訟は、ジュセッペ・コンテ(Giuseppe Conte)首相、ロベルト・スペランツァ(Roberto Speranza)保健相、ロンバルディア州のアッティリオ・フォンタナ(Attilio Fontana)知事を標的としたものだという。

 原告らは、ロンバルディア州と中央政府には「重大な怠慢」があったと主張。最初の例として、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が国内で初めて確認されてから閉鎖されていたアルツァーノ(Alzano)の病院について、2月23日に再開を決定したことを挙げている。

 同団体は、感染が拡大したアルツァーノとネンブロ(Nembro)の封鎖の「深刻な遅れ」と、基礎自治体と州レベルの感染対策に最新情報が盛り込まれていなかった点も指摘している。

 イタリア政府は3月10日に全国的なロックダウン(都市封鎖)を実施したが、ロンバルディア州の検察当局は、同州がもっと早く措置を取るべきだったかどうかについて調査している。(c)AFP