【12月25日 AFP】イエス・キリスト(Jesus Christ)の生誕地とされるパレスチナ自治区、ヨルダン川西岸(West Bank)のベツレヘム(Bethlehem)では24日、新型コロナウイルスのためクリスマスに向けた準備は近年と全く異なるものとなった。コロナ禍で多くの人々が予定を中止し、新たなロックダウン(都市封鎖)の実施により催し事に制限をかけることを余儀なくされている。

 新型ウイルスの流行によりこの1年で170万人余りが死亡し、苦境の終わりが見えない中、新たな集団感染も数多く発生。緊急使用のワクチン接種を展開しても、生活がすぐに正常に戻る可能性が低いことが改めて浮き彫りになっている。

 クリスマスイブに聖誕教会(Church of the Nativity)で行われるミサは例年、ホリデーシーズンの目玉とされ、数十万人がベツレヘムを訪問していた。だが今年のミサは一般公開されずネットで配信され、聖職者と招待された人だけで行われる。ミサの行われる同教会では24日、消毒作業が行われた。

 マンガー広場(Manger Square)に向かう道では、少し雨が降る曇り空の下、バグパイプやドラム奏者の列が行進。大勢のパレスチナ人が訪れ、大半がマスクを着用し列をなしてパレードを見学した。ピエルバティスタ・ピザバラ(Pierbattista Pizzaballa)ラテン・エルサレム総大司教はパレードで「コロナウイルスによる恐怖やいら立ちはあるものの、イエスはベツヘレムで生まれたのだから、私たちは(この危機を)乗り越えるだろう」と述べた。(c)AFP/Guillaume Lavallee and AFP bureaus