【12月24日 AFP】新型コロナウイルスワクチンの接種が進む米国で、これまでに1回目の接種を受けた人が100万人を超えた。同国史上最大のワクチン接種計画で一つの大台に乗せた形だが、その一方で当局は、当初の予定からは遅れが出ていると認めた。

 米国内では同ウイルスの新規感染者が増え続けている。死者は32万人を上回り、今年の死因の第3位になるとみられている。

 疾病対策センター(CDC)のロバート・レッドフィールド(Robert Redfield)所長は、今月14日にワクチンの大規模接種が始まって以来、合わせて100万回の接種が報告されていると発表した。

 一方で政府のワクチン開発計画「ワープ・スピード作戦(Operation Warp Speed)」のモンセフ・スラウイ(Moncef Slaoui)首席顧問は、今月中に2000万人に接種するという目標については「達成されそうにない」と認めた。

 とはいえ、来年第1四半期中に1億人、第2四半期にさらに1億人に接種することは計画通り可能だと自信を示した。

■「来夏までに集団免疫獲得の可能性」とファウチ氏

 米国の感染症対策の権威で、国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長のアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)氏は、ワクチン接種が順調に進めば、米国で来夏までに集団免疫を獲得できる可能性があると述べている。

 健康情報サイト「WebMD」で23日に公開されたインタビューでファウチ氏は、「夏の半ばか終わりまでに、正しく行っていけば、人口の70~85%にワクチンを接種できるだろう」「これが実現した時、全米を覆う保護の傘ができる」と語った。(c)AFP