【12月24日 AFP】トルコの裁判所は23日、シリア反体制派にトルコ政府が武器を送っていたとする疑惑を報じた左派紙ジュムフリエト(Cumhuriyet)の元編集長でドイツに亡命中のジャン・ドゥンダル(Can Dundar)氏に対し、スパイ活動とテロ支援の罪で合わせて禁錮27年6月の有罪判決を下した。

 2016年に亡命したドゥンダル氏は、「スパイ活動のため機密情報を入手した」罪について禁錮18年9月を、また、米国に滞在しているイスラム教指導者フェトフッラー・ギュレン(Fethullah Gulen)師率いる「テロリスト集団を支援した」罪に対しては禁錮8年9月を、それぞれ言い渡された。

 ギュレン師についてトルコ政府は、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)政権の転覆を狙った2016年のクーデター未遂事件を首謀したと非難している。

 エルドアン大統領は2015年、シリアへの武器輸送疑惑が記事と映像で報じられた際、「重い代償を支払う」ことになるだろうとドゥンダル氏に警告していた。

 ドイツからAFPの電話取材に応じたドゥンダル氏は、「これは政治的な決定だ。法律と無関係の報復だ」と判決を非難。エルドアン氏が以前警告した「代償」を実際に支払わせようとしているとの見方を示した。

 米国を拠点とする非営利団体「ジャーナリスト保護委員会(CPJ)」は先週、中国に次いで多くのジャーナリストを収監している国の一つにトルコを挙げ、今年は37人が収監されたとする年次報告書を発表した。なお、クーデター未遂事件が起きた2016年には、その2倍以上のジャーナリストが拘束された。(c)AFP/Fulya OZERKAN