【12月23日 AFP】(更新、写真追加)ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は23日、1か月足らずでジョー・バイデン(Joe Biden)氏が新大統領に就任する米国との関係について、大きな変化の見通しはないと述べた。これに先立ちロシア政府高官らは、より悲観的な発言を行っていた。

 バイデン次期大統領は、米政府機関への大規模サイバー攻撃をめぐり、ロシアへの報復を明言している。

 プーチン大統領は23日、議員や政府関係者らとの会合で、「米国の政権交代について、われわれにとってより困難になるかどうかだが、私はそうは思わない。これまで通りだろう」と話し、対米関係では変化の見通しはないと述べた。

 一方、ドミトリー・ぺスコフ(Dmitry Peskov)報道官は同日の記者会見で、ロシア大統領府は米国関係で明るい要素は何も期待していないと語っていた。

 また、セルゲイ・リャプコフ(Sergei Ryabkov)外務次官も同日、インタファクス(Interfax)通信のインタビューで、ロシアはバイデン氏に「良いことは何も期待していない」と発言。

 米政府機関へのサイバー攻撃をめぐり、ロシアの関与が取り沙汰された数日後に行われたこのインタビューの中でリャプコフ氏は、「ロシア嫌悪で出世し、わが国をけなす者ばかりで、こうした人々から良いことを期待するのは妙な話だろう」と話していた。

 バイデン氏は22日、サイバー攻撃について「放置してはおけない」と述べ、来月20日に大統領に就任し次第、報復措置を取ると明言していた。

 米政府は今週新たに、軍とのつながりを理由に、ロシアの45団体に制裁を科した。リャプコフ氏はこれについて、退任間近のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が「大きな音を立ててドアを閉めようとしている」と表現。

 リャプコフ氏は、両国関係は「悪い状況からますます悪くなるだろう」との見方を示した。(c)AFP