■いつか共同体の中で家庭を築ける日が来るはず

 21世紀になってから、「共同体の中で、どのような差別も行わない」とする動きがあり、以来ナザレは、他の先住民の村からやって来たLGBTの人々にとって、自分らしく生きられる場所になっている。

 マセード氏は、LGBTの若者たちは「先住民の文化、特に言語を保護するために」必要な存在と判断されたのだと説明した。

 アマゾンの先住民の多くの村は、性の多様性を認めているわけではなく、完全に受け入れているわけでもないが、暴力を振るうことなく対処してきたと、性的少数者の権利擁護団体、アファーマティブ・カリビアン・コーポレーション(Affirmative Caribbean Corporation)の代表、ウィルソン・カスタネダ(Wilson Castaneda)氏は言う。

 オープンなLGBTコミュニティーは地元の指導者らに受け入れられないであろうことを考えれば、ナザレはその典型的な例だ。

 今のように緩やかな集まりなら許されるが、とマセード氏は話し、「集団をつくることは許されないだろう」と続けた。

 しかし、さらに先を見据えているサンガマさんは、いつか自分たちが「パートナーを持ち、共同体の中で堂々と家庭を築き、本当の自分を自由に表現できる」日が来るはずだと語った。(c)AFP/Hector Velasco