中国、需要増と石炭不足で電力使用制限 湖南省など
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【12月23日 AFP】中国は需要の急増と石炭の供給不足を背景に電力不足に陥っており、冬の厳しい寒さの中、3省で電力の使用が制限されている。
現地メディアの報道と政府の発表によると、湖南(Hunan)省、浙江(Zhejiang)省、江西(Jiangxi)省の住民、工場、企業が電力使用制限の対象となっており、一部地域では石炭供給不足を理由に挙げている。
湖南省当局は今月初め、すべての屋外広告と照明について1日当たり長時間にわたり電源を切るよう命じた他、娯楽施設内の暖房の設定温度の上限を定めた。
湖南省当局者は先週、気温が氷点下10度まで下がる異例の寒波により需要が急増しており、300万~400万キロワットの電力が不足していると認めた。
一方、メディアの報道と中国版ツイッター(Twitter)の「ウェイボー(Weibo、微博)」で拡散されている写真によると、浙江省は二酸化炭素(CO2)排出削減策の一環で、製造業の中心となっている義烏(Yiwu)の工場に対し操業を停止するよう求めた。街灯も消灯しているという。
中国の経済政策決定で重要な役割を果たす「国家発展改革委員会(NDRC)」は21日、電力供給は「おおむね安定している」と説明し、発電能力の引き上げと石炭調達の強化を表明した。
今回の電力不足は急速に発展する中国が、膨大な人口を抱える国内の電力需要と、習近平(Xi Jinping)国家主席が掲げた、厳格なCO2排出量削減目標の実現という二つを両立させるという難題に直面していることを示している。
中国は世界一の石炭消費国で、削減目標を達成するため再生可能エネルギーへの転換を進めている。
インターネットでは、今回の電力不足は中国がオーストラリア産の石炭の輸入を禁止したためであり、自らが招いた結果だとするうわさが広がっていた。実際、複数の船が港に足止めされており、大量の石炭が積まれたままになっている。
だが、国家統計局のデータによると、昨年の石炭輸入量2億6500万トンのうち、オーストラリア産は3%にすぎなかった。(c)AFP