【12月23日 AFP】ロシアの野党勢力指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏(44)の毒殺未遂をめぐり、欧州連合(EU)がロシアに制裁を科したことを受け、同国政府は22日、EU高官らに対し報復制裁を科すと発表した。ナワリヌイ氏について、被害妄想に陥り自身を(キリスト教の救世主の)「イエスになぞらえている」と主張した。

 同国外務省は、EU諸国の上級外交官を外務省に呼び、EUが10月に発動した制裁について抗議。同省はその後、EUの制裁は「敵対的」であるとして、EU高官らに新たな入国禁止措置を科すと発表した。

 ナワリヌイ氏は21日、自身が大統領府(クレムリン、Kremlin)の安全保障会議(Security Council)の高官になりすまして連邦保安局(FSB)の毒物専門家に電話をかけ、自白を引き出すのに成功したと明らかにしていた。ナワリヌイ氏が公開した会話の動画の中で、その人物はFSBの工作員らが今年8月、ナワリヌイ氏の下着に毒を仕込んだと説明。この動画は24時間で1300万回以上再生され、ソーシャルメディア上では、ナワリヌイ氏の下着を笑いの種とした投稿があふれた。

 ドミトリー・ぺスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は22日、ナワリヌイ氏を「被害妄想」に陥った「病人」と呼び、「誇大妄想の特徴」もあると主張。「彼は自身をイエスになぞらえていると言われている」と述べた。(c)AFP/Anna SMOLCHENKO