複雑に機能する時計のムーブメントは、もはや小宇宙といっても過言ではない。スーパースポーツカーにとってエンジンが大切なように、時計選びもエンジン=ムーブメントがキモなのだ!

AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ)/ロイヤル オーク ミニッツリピーター スーパーソヌリ
直径42㎜のケースとブレスレットはチタン製。楽器を参考にして音のクオリティそのものを追求したスーパーソヌリは、時計を腕に着けたほうがミニッツリピーターの音が力強くクリアに生み出されるのも特徴だ。手巻き。パワーリザーブ約72時間。20m防水。ジャパンブティックのみで35本限定販売。税別3350万円。

搭載する手巻きキャリバー2959はスーパーソヌリの改良型。ハンマーとゴングで発する音はケース内の空間の反響室で増幅され、豊かな響きを生む。

AUDEMARS PIGUET

時刻を音で告げる複雑機構のリピーターは、オーデマ ピゲのまさにスペシャリテ。とりわけチャイムの音響を科学的に分析して豊かな響きを開発したスーパーソヌリは、現在考えうる最高の機構とされる。コンセプトウォッチを経て、そのムーブメントを従来のデザインの「ロイヤル オーク」に搭載したのは2年前のこと。伝統的なグランドタペストリーを刻むダイアルをサーモンカラーで彩った2020年日本限定の新作は、一見ふつうの「ロイヤル オーク」に見せかけて、最強エンジンが音量豊かに時を打ち鳴らす様がすごい。

時計ジャーナリスト・菅原 茂はこう見た!

2016年にコンセプトウォッチとして初めて目にし、耳にしたスーパーソヌリ。それが、いかにも"コンセプト"然とした当初の未来的なデザインからふつうのデザインへと進化(?)したのは興味深い。ハイエンドのラグジュアリー・スポーツウォッチも今や音で、しかもリッチなサウンドで勝負する新たな時代に突入したようですね。

ENGINE編集部・前田清輝はこう見た!

ともすると、3針の「ロイヤル オーク」と勘違いしてしまいそうだが、ケース左側にはミニッツリピーターのレバーが。シンプルな佇まいながら、美しい音色で時間を知らせるコンプリケーションというムーブメントを搭載しているあたり、羊の皮をかぶった狼?のよう。奏でる音を聴きたくて、何度もレバーをスライドしてしまうこと間違いない!

文=菅原 茂/前田清輝(ENGINE編集部) 
(ENGINE2021年1月号)