■クリストフ・ドミニシ(Christophe Dominici)氏(64)

 元ラグビーフランス代表の伝説的選手であるドミニシ氏は、その天賦の才能を生かして通算3度のW杯(Rugby World Cup)出場で計8トライを挙げるなど、テストマッチ67試合で計25トライを決めた。

 1999年のW杯(Rugby World Cup)準決勝でフランスがニュージーランドに勝利した一戦で、同氏が後半に決めた神業トライは仏ラグビー史上最高のプレーの一つとなっているが、レ・ブルー(Les Bleus、フランス代表チームの愛称)は決勝でオーストラリアに敗退した。

 同氏は長年深刻なうつを患っており、自殺の疑いがあるその死はラグビー界に衝撃を与えた。

■アンジェラ・バクストン(Angela Buxton)氏(85)

 テニスの四大大会(グランドスラム)で女子ダブルスを2度制した英国出身のバクストン氏は、ユダヤ系であることを理由にキャリアを通じてテニスクラブへの入会を拒まれ続けた。ダブルスの相棒は、1956年全仏オープン(French Open)の女子シングルスでアフリカ系米国人初のグランドスラム優勝を果たしたアリシア・ギブソン(Althea Gibson)氏だった。

 バクストン氏は長年の友人となったギブソン氏とのダブルスで、同年のローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)とウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)を制覇。ウィンブルドンでユダヤ系英国人がタイトルを獲得するのは、これが史上初めてとなった。

■ノビー・スタイルズ(Nobby Stiles)氏(78)

 スタイルズ氏は、1966年サッカーW杯イングランド大会(1966 World Cup)を制した開催国代表チームの「心臓と魂」と評され、中盤で激しくタックルを仕掛けるプレーぶりでマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)が英国勢として初めて優勝を飾った1968年のヨーロピアンカップ(European Cup)では、チームに欠かせぬ存在だった。

 遺族は、スタイルズ氏が患っていた認知症は、ボールを繰り返しヘディングしたことに原因があると訴えている。

■スターリング・モス(Stirling Moss)氏(90)

 元フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)ドライバーである英国出身のモス氏は、1951年から参戦したF1で一度も総合優勝を果たせなかった無冠の帝王として広く認識された。現役時代には世界ツーリングカー選手権(World Touring Car Championship)や世界ラリー選手権(WRC)のほか、シングルシーター最高峰のレースで活躍した。

 怖いもの知らずのドライバーとして知られる同氏は、1962年4月に英南部グッドウッド(Goodwood)のレースで大クラッシュに遭遇。1か月間昏睡(こんすい)状態に陥った後、体の一部に半年間まひが残ってしまい、現役引退を余儀なくされた。