【12月22日 AFP】スポーツ仲裁裁判所(CAS)は21日、2016年リオデジャネイロ五輪の柔道女子57キロ級金メダリストで、2019年の検査で禁止薬物に陽性反応を示したことにより2年間の出場停止処分を科されたブラジルのラファエラ・シルバ(Rafaela Silva)について、同選手の処分撤回の訴えを退けた。

 28歳のシルバは五輪のタイトルは維持されるものの、今回の裁定で2021年の東京五輪には出場できなくなった。リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)近郊の貧民街である、「シティ・オブ・ゴッド」を意味する出身地シダーデ・デ・デウス(Cidade de Deus)で崇拝されている同選手にとって、この状況は大きな打撃となる。

 2019年にペルーの首都リマで開催されたパンアメリカン競技大会(2019 Pan American Games)に出場して同級決勝で勝利を収めたシルバは、大会期間中の反ドーピング検査で禁止薬物に指定されているぜんそく治療薬の痕跡が見つかった。

 シルバには検出された禁止薬物の「摂取ルート」について立証責任があったものの、CASはこれが果たされなかったと判断した。(c)AFP