【12月22日 AFP】ロシアの野党勢力指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏は21日、連邦保安局(FSB)の職員をだまし、FSBが今夏に自身を殺害するため毒を下着に仕込んだと認めさせることに成功したと明らかにした。

 ナワリヌイ氏はブログへの投稿で、FSBの化学兵器専門家であるコンスタンティン・クドリャフツェフ(Konstantin Kudryavtsev)氏に電話したと説明。ツイッター(Twitter)への投稿で「私の殺人(未遂)犯に電話した。彼はすべてを自白した」と主張した。

 ナワリヌイ氏は電話番号を偽装して電話をかけ、ニコライ・パトルシェフ(Nikolai Patrushev)安全保障会議書記の側近だと名乗った上で、毒殺未遂の公式報告書のために情報が必要だと説明したという。ナワリヌイ氏は、電話の音声録音と会話の全文、さらに自身が電話で話している姿を映した動画も公開。音声の分析から、電話の相手はクドリャフツェフ氏本人であることが確認されたとしている。

 録音の中で、電話の相手は当初ちゅうちょし、警戒感を示したが、最終的には事件の経緯を話し始め、ナワリヌイ氏が生き延びた理由を説明。ナワリヌイ氏を乗せた飛行機が緊急着陸をするとは予想しておらず、フライトがそのまま続いていたら同氏は死亡していただろうと語った。

 FSBはロシア通信各社に対する声明で、この電話を「FSBの信用失墜を狙う計画的な挑発」と批判。電話は「外国の特別機関の支援」なしには不可能だったとの見解を示し、電話に臨むナワリヌイ氏を映した映像は「偽物」だと主張した。(c)AFP